同じ名前なのに、別の料理。日本と韓国、6つのグルメ食べくらべグルメ

同じ名前なのに、別の料理。日本と韓国、6つのグルメ食べくらべ

2026.06.276
とんかつとトンカス、ラーメンとラミョン——名前は似ているのに、食べてみるとまるで別物。日本と韓国でこんなに表情が変わる6つの料理を、その背景にある食文化とあわせて、編集部の視点でくらべてみました。

「似ているのに、ちがう」を楽しむ

韓国の食には、日本から渡ってきた料理も少なくありません。けれど、そのまま受け継がれたものは意外と少なく、たいていは韓国の人の好みに合わせて、独自に進化しています。

どちらが本物で、どちらが正解、という話ではありません。同じルーツの料理が、海を渡って別の表情になる。その変化そのものを味わうのが、韓国グルメのいちばん面白い楽しみ方かもしれません。さっそく、代表的な6組を見ていきましょう。

とんかつ vs トンカス:厚みとソースの、別の正解

日本のとんかつは、厚みのある肉をサクッと揚げて、ソースは自分でかけて食べるのが一般的です。衣のサクサク感と、肉の厚みが主役。

一方、韓国の「トンカス(돈까스)」は、肉を薄く叩いて大きく広げ、デミグラス風のソースを最初からたっぷり「かけた状態」で出てきます。サクサクというより、ソースが染み込んだしっとりとした味わい。日本の感覚だと「洋食屋のカツレツ」に近いかもしれません。同じとんかつでも、目指している方向がまるで違う。薄く広い韓国のトンカスには、また違うおいしさがあります。

ラーメン vs ラミョン:外食と家食のちがい

日本でラーメンといえば、お店で食べる生麺の一杯。醤油、豚骨、味噌と、出汁の文化も実に多彩です。

ところが韓国で「ラミョン(라면)」といえば、主流はインスタント麺。基本は辛いスープで、家で手軽に作って食べるものという感覚です。「ラーメンは外食、ラミョンは家食」——この認識の違いを知っておくと、韓国の食堂で少し戸惑わずにすむかもしれません。ちなみに韓国のインスタントラミョンは種類が驚くほど豊富で、お土産にも人気です。

おでん vs オデン:煮込みと、屋台の串

日本のおでんは、大根、卵、こんにゃくなど、さまざまな具材をじっくり煮込んで楽しむ料理です。

韓国の「オデン(오뎅=オムク)」は、魚の練り物を串に刺したものが基本。主に屋台で、立ったままさっと食べます。そして韓国らしいのが、串を頼むと、温かいスープを紙コップで自由に飲めること。寒い季節の街歩きで、屋台のオデンとスープで体を温める——これも韓国旅行ならではの楽しみ方です。

刺身 vs フェ:熟成の旨味と、弾力の食感

日本の刺身は、ときに熟成させて旨味を引き出すなど、「素材そのものの味」を大切にします。

韓国の「フェ(회)」が重視するのは、活魚をその場でさばく弾力のある食感。味わい方も少し違って、わさび醤油だけでなく、酢コチュジャン(チョジャン)を付けたり、サンチュなどの葉野菜に包んで食べたりするのが韓国流です。同じ生魚でも、「味で楽しむ日本」と「食感と包んで楽しむ韓国」。その対比に気づくと、刺身ひとつでも旅の発見になるかもしれません。

唐揚げ vs 韓国チキン:衣の、別世界

日本のチキン(唐揚げやフライドチキン)は、やわらかめの衣でジューシーに仕上げるのが定番です。

対して韓国チキンの主役は、なんといっても「2度揚げ」のバリバリ・サクサクした厚い衣。ヤンニョム(甘辛ソース)をはじめ味のバリエーションは無限で、骨付き肉を手で豪快にほおばるのが一般的です。ビールと合わせる「チメク(チキン+ビール)」は、もはや韓国の食文化そのもの。日本の唐揚げとはまったく別ジャンルの食べ物として楽しむのがおすすめです。

ちゃんぽん vs チャンポン:白と、赤

日本のちゃんぽん(長崎など)は、豚骨ベースのマイルドな白いスープが特徴。やさしい味わいで、麺と具材の一体感を楽しみます。

韓国の「チャンポン(짬뽕)」は、まさに対照的。唐辛子をたっぷり使った、真っ赤な激辛スープです。海鮮の旨味と強烈な辛さが融合した、韓国式中華の定番。同じ「ちゃんぽん」という名前から、これほど色も味も違う一杯が出てくるとは——最初の一口は、ちょっとした驚きかもしれません。辛いのが好きな方は、ぜひ韓国で挑戦してみてください。

どちらが上ではなく、ちがいを味わう

こうしてくらべてみると、同じ名前の料理でも、日本と韓国ではずいぶん表情が変わることが分かります。厚いか薄いか、外食か家食か、味わいか食感か——その小さな違いの一つひとつに、それぞれの国の暮らしや好みが映っています。

どちらがおいしいか、どちらが本物か、を決める必要はありません。「日本のあれと、どう違うんだろう」という視点で味わうと、いつものメニューが、ぐっと面白く感じられるはずです。

次のソウル旅行では、見覚えのある名前をあえて選んでみるのもおすすめです。その一皿の中に、日本とちがう韓国の食文化が、そっと詰まっているかもしれません。

※ お店探しは「韓国レストランガイド」もあわせてどうぞ。

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