地方への交通手段

鉄道

韓国にも日本の「新幹線」や「高速バス」のような移動手段があり、地方旅行には欠かせない存在です。今回は韓国で鉄道に乗る前に知っておくべき情報や、よくあるトラブルなどをわかりやすく解説します。

代表的な移動手段

主に「KTX」と「SRT」の利用頻度が高いです。

KTX (高速鉄道)

KTX (高速鉄道)
一番早く移動可能な「韓国の新幹線」
  • ソウル駅や龍山(ヨンサン)駅発着
  • ソウル↔釜山が「最短2時間30分」
  • 乗り放題になるKORAIL PASS使用可能

SRT (高速鉄道)

SRT (高速鉄道)
ほとんどKTXと同じだが「より安価」
  • 江南エリアの水西(スソ)駅発着
  • KTXより10%ほど安く移動できる
  • KORAIL PASS使用不可(別会社のため)

ITXセマウル号 (特急列車)

ITXセマウル号 (特急列車)
主要駅にのみ停車する特急列車
  • KTXと同じKORAILが運営する特急列車
  • 座席は回転・リクライニング可能で広々
  • 予約はKORAILのアプリでも可能

ITX青春号 (急行列車)

ITX青春号 (急行列車)
冬ソナで有名な春川など小旅行に◎
  • ソウル - 春川は、約1時間 / 9,800ウォン
  • 2階席も人気!追加料金なしで利用可能
  • 最高時速150kmなので意外と速くて快適

ムグンファ (急行列車)

ムグンファ (急行列車)
最も遅い列車だが「停車駅が多い」
  • KTXなどの停車しない小さな駅にも停車
  • 時間はかかるが、鉄道の中で最も安い
  • ゆっくりと車窓を眺めながら旅ができる

高速バス

高速バス
一番コスパが良いが「時間がかかる」
  • KTXよりも安く多様な地域に移動できる
  • 一般、優等、プレミアムの3種類ある
  • 当日購入可能なので気軽に利用できる

ソウルから各地方への所要時間と料金

韓国旅行で人気の都市「釜山・江陵・大田・大邱・全州」への所要時間と料金をまとめました。
移動手段によって時間や料金が異なるので、旅の計画に合わせて選びましょう。

目的地釜山 (プサン)江陵 (カンヌン)大田 (テジョン)大邱 (テグ)全州 (チョンジュ)
KTX
約2時間30分
59,800ウォン
約1時間50分
27,600ウォン
約1時間
23,700ウォン
約1時間55分
43,500ウォン
約1時間50分
34,600ウォン
SRT
約2時間30分
52,600ウォン
約1時間
20,100ウォン
約1時間45分
36,900ウォン
約1時間45分
30,300ウォン
高速バス
約4時間
26,700ウォン~
約2時間50分
16,700ウォン~
約2時間
10,300ウォン~
約3時間30分
20,300ウォン~
約2時間40分
15,000ウォン~
ITX セマウル号
約4時間40分
42,600ウォン
約1時間40分
16,000ウォン
約3時間35分
31,400ウォン
約3時間
26,200ウォン
ムグンファ
約5時間30分
28,600ウォン
約1時間50分
10,800ウォン
約4時間
21,100ウォン
約3時間40分
17,600ウォン

※ 時間や料金は変更される場合がございますので、最新情報はお客様自身でご確認ください。
※ バスは発着地やグレードによって、時間や料金がそれぞれ異なります。

乗車の簡単3ステップ

鉄道の基本的な乗車方法

1. チケットを購入する

1. チケットを購入する

事前にネット予約 or 駅の窓口で購入

  • 週末や連休は混雑するため予約必須
  • 窓口では日本語が通じないことが多いので、韓国語 or 英語のメモで「日付・時刻・目的地・列車名」などを見せると◎

2. 乗車する

2. 乗車する

改札口がないため直接出発ホームへ

  • 鉄道には新幹線のような改札口がないため、直接出発ホームに向かえばOK
  • 鉄道の中に入りチケットの「車両番号と座席番号」を確認→指定の席に座わる

3. 下車する

3. 下車する

改札を通らずそのまま出てOK

  • 目的地に到着したら、間違ってないかよく確認してから降りる
  • 降車時も改札はなくチケットも回収されないので、記念に持ち帰るのも◎

高速バスの基本的な乗車方法

4. チケットを購入する

4. チケットを購入する

鉄道ほど予約が必須ではない

  • 交通カードをカードリーダーにタッチして支払う(現金は使えないバスが多い)
  • 乗車前に交通カードの残高確認とチャージを忘れずに

5. 乗車する

5. 乗車する

目的地と出発時間が合っているか確認

  • チケットを勝手に切り離すと無効になる
  • チケットのQRコードを機械にかざして乗車 or 運転手が半券を回収して乗車 ※出発の10分ほど前から待っていると安心

6. 下車する

6. 下車する

目的地で降り損ねないよう注意

  • バスによっては到着アナウンスがなかったり、運転手が直接言うパターンもある
  • 目的地に到着したら、乗車時と同じく前方の乗降口から下車

外国人限定!「コレールパス」

『KTXが乗り放題になるコレールパス』は外国人旅行客であれば誰でも購入・利用できる乗車券です。
2人で釜山を往復するだけで元が取れちゃう!

1. KORAILのほぼ全線乗り放題

1. KORAILのほぼ全線乗り放題

ソウルから離れた地方に行く場合に◎

  • 高速列車 → KTX (SRTは対象外)
  • 一般列車 → ITX (セマウル号・青春号)ムグンファなど
  • 観光列車 → O-train、V-trainなど

2. 購入方法

2. 購入方法

乗車券が最も安いのはネット購入

  • Klook → 安く購入したい人におすすめ
  • KKday → PayPayで支払い可能
  • 公式サイト → 初めてだと少し使いづらい
  • 現地窓口 → 定価販売・売り切れる場合も

3. 当日必要なもの

3. 当日必要なもの

事前に日本で印刷していくと楽!

  • パスポート原本
  • 印刷した乗車券
  • 印刷した座席指定券 (座席指定時のみ)

ソウル↔釜山の「コレールパス」の料金

利用方法往復料金 (ソウル↔釜山)乗車回数座席指定
KTX119,600ウォン/人2回 (往復分)可能
コレールパス / 一般 個人 (13〜27歳)105,000ウォン/人無制限 (10日のうち2日間選択)可能 (1日2回まで)
コレールパス / セーバー グループ (2〜5人)121,000ウォン/人無制限 (10日のうち2日間選択)可能 (1日2回まで)

※ コレールパスの料金や利用条件は変更される可能性があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

「旅行中に鉄道に乗る機会が少ない」または「短距離しか移動しない」場合は、
その都度購入するほうが安いかも... よく計算した上でご購入ください。

よくあるトラブル

とにかく乗り遅れないよう、早めに到着することを心がけましょう。
特に、ソウル駅は意外と歩く上に常に混雑しているので要注意!

1. 間に合わず乗り遅れた

1. 間に合わず乗り遅れた
まずは焦らず駅員や窓口で相談する
  • 次の鉄道やバスに乗車可能な場合、チケットの変更や払い戻しを申請できます。追加料金の有無や支払い方法も確認しましょう。
※ 駅やターミナルは広いので、思いのほか時間がかかります。余裕がありすぎるくらいが◎

2. 自分の席に違う人が座ってる

2. 自分の席に違う人が座ってる
番号が合っているかもう一度確認
  • 番号が合っているのを確認したら、自分の乗車券を相手に見せながら「席は合っていますか(자리 맞으세요/チャリ マジュセヨ)?」と優しく話しかけましょう。もしくは、乗務員に相談してもOK!
※ よくある事なので慌てず対応しましょう

3. 高速バスでトイレに行きたい

3. 高速バスでトイレに行きたい
我慢できない時は運転手に相談する
  • 韓国のバスには基本的にトイレがないため、サービスエリアで約15分の休憩時間があります。韓国はトイレ休憩までの間隔が長いので、飲み過ぎには要注意!
※ 渋滞に巻き込まれてトイレ休憩まで3時間以上かかることも…

4. 高速バスの遅延

4. 高速バスの遅延
混んでいそうな時は高速鉄道を
  • 高速バスは、渋滞などにより大幅に遅れることがあります。到着が遅れるとスケジュールにも変更が生じるので、リスクを考慮して選択しましょう。
※土日祝日や大型連休は高速道路が混雑するため、渋滞に巻き込まれるリスクが高い!

事前に知っておくと役立つ知識

1. 韓国の大型連休(旧正月・秋夕)の利用は要注意!

日本のお正月とお盆に例えられる、年2回の大型連休「旧正月(ソルラル)と秋夕(チュソク)」。連休前後は帰省ラッシュとなり、乗車券もすぐに売り切れてしまいます。(また、カフェや飲食店なども休みのお店が多いため、そもそも旅行に不向きな期間です)

2. ソウル駅は広く、ホームに辿り着くまでに時間がかかる

ソウル駅は、さまざまな電車が終着するハブ駅で、ショッピングモールなどの複合施設も併設された大型の駅です。かなり広大な敷地なので、事前に流れを確認し、時間には余裕を持って行くようにしましょう。

3. 進行方向とは逆向きに座る席がある

列車によっては、後向きに座る座席もあります。座席は前向きから埋まっていくので、前向きの座席に座りたい場合は、早めに予約・購入することをおすすめします。

4. 改札口がないから“ピッ”不要!

チケットを購入したらいざ改札口へ!といっても、KTXやSRTなどの高速鉄道には改札機が設置されていないので、「타는 곳(タヌン ゴッ)、Tracks」という表示があるゲートを通過し、そのまま乗車してOK!チケットは電車内でも確認されず(間違った座席に座っている場合は確認されます)、電車内でのチケット購入ができないので、急いで乗車して無賃乗車にならないように、時間に余裕を持つのがおすすめです。

5. 食べ物は食べてもOK

鉄道や高速バス内での飲食は「基本的に可能」です。ただ、匂いが強い食べ物は、周りの乗客(特に乗り物酔いがひどい人)の迷惑となります。特に長時間移動する密閉空間では、普段以上に周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

6. 日本からでも予約可能

日本から予約する方法はいくつかありますが、確実なのは公式サイトやアプリなどから予約する方法です。移動手段や取り扱い路線、予約の方法がそれぞれ違うので事前に確認しておきましょう。

7. 温度調節ができる服装で

冷暖房が効きすぎている場合があるため、上着や薄手のカーディガンなど調節しやすい服を持っておくと便利です。また、移動中の快眠やリラックスのために、アイマスクやイヤホン、耳栓などを用意するとリラックスできます。

8. 移動中にスマホの充電可能

基本座席の近くにコンセントが設置されており、長距離の移動でも充電可能です。ただし、列車の種類や座席によってはコンセントがない場合や、通路側だとコンセントに届かない…なんてことも!移動中はスマホの充電も減りやすいので、モバイルバッテリーがあると安心です。